病害虫

アオバハゴロモは幼虫のフンに要注意!

アオバハゴロモの幼虫

柑橘の木の茎や葉に白く綿のようになっている部分を見たことはありませんか!?
それがアオバハゴロモの幼虫で、成虫は緑色をしています。これは吸汁性害虫で新梢や果梗枝に寄生して吸汁します。
しかし、この幼虫が大量発生するとフンによる被害を引き起こします。

その症状はカイガラムシのそれと似ていて、スス病の原因になるともいわれています。
この被害にあうと外観を損ねるだけではなく症状がひどい場合、樹勢が衰えたり実が落ちる等の被害があります。
柑橘園においての被害はそれほどひどくはなく、定期的に防除することで大体は防ぐことができます。

このアオバハゴロモの幼虫の排せつ物による影響で他の病害を発生させることが多く、特にスス病の場合は果実の外観を悪くさせてしまい商品価値を落としてしまうので防除をしっかりとして発生させないことが大切です。

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枯古木の処理が100%出来ても黒点病は防げない!?

葉の黒点病

柑橘栽培における病害虫の中で、最も被害の大きなものに黒点病があります。
この黒点病、果実や葉、枝等に黒い点々が出来る病害なんですが、果実に出来ると著しく商品価値を下げるので最も対策が必要な病害の一つになります。

実際、年間を通じて定期的に防除を繰り返しているにも関わらず、なかなか防除できません。
この黒点病の発生条件となるのが高温・多湿の気象条件であることと、雨によって拡散していくので、今の時期は最高の条件となりますかね。
おまけに、年間を通じて25℃以上の気温の日が年々多くなっていることも対応が難しくなっている要因でもあります。
これらの気象条件下でいかにして発生・拡散を防ぐことが出来るかがポイントになってきます。

黒点病といえば枯れた枝に発生して、それが雨滴によって拡散していくといわれています。
その枯れた枝の除去はかなりの時間をかけても完全に除去することは難しく、次々に出来てくるので「いたちごっこ」のような感じになります。
なので、枝を枯れさせないような木の作り方をすることが重要になってきます。
高度な剪定技術と木の管理が要求させるし、園地全体の管理も大切です。
より一層の精進が必要ですね!

 

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4㎝弱の体なのに恐るべき害虫の天牛!

天牛

柑橘の病害虫の中でも厄介なのが天牛です。
正式な名称はゴマダラカミキリといい、天牛という呼び名は中国名です。
カミキリムシの仲間は日本国内に約800種類いるといわれていて、昆虫愛好家の中では人気のようです。
そういえば、幼いころ採って遊んでいた記憶があります(笑)

この天牛は柑橘の害虫としても要注意の害虫のひとつで、多くの植物に寄生し被害を与えます。
これの被害にあった柑橘の木、特に若木の場合、たった1匹のゴマダラカミキリが幹に食い込んだだけで木が衰弱したり、枯れてしまうほど大きな被害を与えることがあります。
数ある害虫被害の中でも1匹が与える被害の大きさは最大級といえます。

この天牛による被害を防ぐ方法として良く知られていたのが捕殺です。
現在のように殺虫剤が進歩していなかった頃は、捕殺するのが一般的でした。
一時期、農協が一匹数円で買い上げていた時期があるほどなんですね!
そこまでしてでも対策を必要とした厄介な害虫だったともいえます…。

 

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清見タンゴールの1年生苗木に異変!?

清見タンゴールの苗木

例年だと梅雨入りしていてもおかしくない時期なのですが、未だに梅雨入り宣言がない今日この頃です。
そんな中、除草作業に明け暮れる毎日です。
今日も清見園で除草作業をしていたのですが、今年の春に植え付けした清見タンゴールの葉に異変が起きているのを発見しました!
わずかですが、食害もあり、葉を巻く被害も出ています。
一見すると、ミカンハモグリガのようにも思えたのですが、葉の症状がそれの被害とは異なるようです…。

食害の状況をみるとミカンナガタマムシのようにも思え、また、葉の巻かれている状況をみるとミカンヒラタマルハキバガのようにもおもえるのですが、これといって特定できるような症状でもなさそうです。
一体、何の被害なのか気になるところなんですが…。

そこで、まだそれほど大きな被害になっているわけではないので、しばらく様子をみることにしました。
この先、同じような被害が広がってくると対処の必要がありますが、今のところはそれほどでもないのが現状です。

 

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約4ヶ月間にわたる黒点病の防除。

黒点病

柑橘の病害虫で最も危惧されているのが黒点病です。
果実や枝葉に黒い斑点が着くもので、一度発症するとなかなか改善することができません。
通常は小さな斑点がポツポツ出来るのですが、量が多くなると雨垂れが流れた跡の涙斑状になったり、果実全体的に感染した場合は泥塊状になります。
このような症状になった果実は品質が著しく低下して商品価値が下がるので十分に注意する必要があります。

雨が多く最低気温が高くなるこの時期から感染が多くなることから防除を始めるのですが、その期間は気温が下がり空気が乾燥してくる秋口までといった長期にわたります。
例年、5月下旬から9月上旬ころに防除を行うのですが、近年では10月になっても気温が下がらないことが多く、その対策も考えなくてはいけないのが現状です。
現在のところ、JAの営農指導課によって防除回数等も制限されていて、その時の気象条件によって期間を延長することは出来ないのが現状です。

このようなことから、薬剤を散布する防除方法だけではなく、木の管理をはじめ、園地全体の管理を徹底し、黒点病が発症しにくい環境を作っていくことが大切です!

 

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