柑橘の木の茎や葉に白く綿のようになっている部分を見たことはありませんか!?
それがアオバハゴロモの幼虫で、成虫は緑色をしています。これは吸汁性害虫で新梢や果梗枝に寄生して吸汁します。
しかし、この幼虫が大量発生するとフンによる被害を引き起こします。
その症状はカイガラムシのそれと似ていて、スス病の原因になるともいわれています。
この被害にあうと外観を損ねるだけではなく症状がひどい場合、樹勢が衰えたり実が落ちる等の被害があります。
柑橘園においての被害はそれほどひどくはなく、定期的に防除することで大体は防ぐことができます。
このアオバハゴロモの幼虫の排せつ物による影響で他の病害を発生させることが多く、特にスス病の場合は果実の外観を悪くさせてしまい商品価値を落としてしまうので防除をしっかりとして発生させないことが大切です。
アオバハゴロモとは!?
体調10㎜程度の薄い緑色をした、一見ると蛾のようにも見える虫のアオバハゴロモですが、その幼虫は白い綿のような物に覆われています。
このアオバハゴロモはカメムシの種類で、日本全国に生息し様々な場所で生息しています。
産卵は枝の中に行われ、卵の状態で越冬します。そして、5月頃にふ化。
その幼虫は白い綿のような分泌液に覆われていて、この分泌物はロウ状でベタベタしています。
成虫も幼虫も茎や葉に針を差し込みそれらの樹液や汁を吸汁します。
このアオバハゴロモは枝葉の混みあったような場所に生息することが多いので、風通しを良くしてやると発生は抑えることができます。
また、薬剤にも弱く、定期的に防除することでその発生をかなり防ぐことが可能になります。
アオバハゴロモの被害は!?
柑橘におけるこのアオバハゴロモの被害として吸汁被害があります。
樹液を吸汁することで樹勢が衰えたり実が落ちたりといった被害があるようですが、これらは大量発生したケースにみられる症状で、現在においては、それほど深刻な状況になってはいないようです。
それよりも排せつ物によって発生するスス病が問題で、このスス病に感染すると葉や果実が黒くなる、いわゆるカイガラムシの被害にあったのと同じ状況になるケースがあります。
このようにスス病を発生させてしまうと果実の外観を著しく損ねてしまい、商品価値が低下してしまいます。
このように幼虫や成虫の両方で被害を発生させるので防除のタイミングが大切になってきます。
その為、黒点病の定期防除と一緒に行いことが通例で、当園でもこの時期を狙って防除するようにしています。
このアオバハゴロモの防除や駆除は比較的容易なんですが、園地周辺の雑木林にも生息しているので、防除によって一網打尽に出来るというものではありません。
園地内はもとより周辺での発生の様子をチェックしながら対策をする必要がありますね!