防風垣の手入れをしていると毎年同じようなことを考えるんです…。
それは、処理した杉葉の利用価値です。
ここ数年、出来るだけ細かく切るようにし、それを園地に敷き詰めるようなイメージにしています。
以前は堆肥に出来ないかと色々と調べてもみたんですが、杉の葉にはリグニンという成分が多く含まれていることと、C/N比が大きいことが問題になっています。
このリグニンとい成分が微生物による分解を難しくさせているといわれています。また、C/N比は炭素含有量を窒素含有量で割った値で表されていて炭素率ともいわれています。これは有機物分解の指標として使われていて、この数値が大きいほど分解速度が遅いということになります。
つまり、これら2つの要因で杉葉は分解されにくく堆肥化には向かないといわれています。
では、毎年手入れした杉葉を園地に敷き詰めるようにしておくことは全く意味のないことかというとそうではなく、雑草の生えてくるのを抑える効果や園地の乾燥抑制に効果はあると思ています。
また、毎年手入れする際に細かくすることが出来れば多少なりとも分解される時間も短くなるように思うので、このまま続けていくことが大切だと感じています!
5~10cm程度まで細かくすることが出来れば…。
杉葉の分解速度が遅いのはとりあえずおいといて…。
毎年手入れをしていれば新芽もそれほど大きくは伸びなくなってきます。
当園では一年に一度、防風垣の手入れをしています。
その年の気候によっても杉の成長は変わってきますが、それほど極端には伸びて来ずに毎年似たような成長をみせるように感じます。
その伸びてきた芽を見てみると緑色の部分が大半で、この部分は伸び始めてきた時の若い部分です。
この緑色の部分を細かくカットすることが出来れば枝も多少は早く枯らすことが出来ます。
ちなみに、杉の葉の場合だと枯らすだけならそれほど年月はかからずに済みます。
これはあくまでも枯らすだけの話で、堆肥化するのは杉の葉に含まれるリグニン等の成分の影響でかなりの月日がかかりますが…。
雑草抑制や土壌乾燥に効果あり!
このように細かくカットした杉の枯れ枝や葉を園地内に敷き詰めておくと雑草の生えてくるのを抑制する効果があると思います。
さすがの雑草も太陽の光が当たらないと簡単には生えてくることは出来ませんよね!
また、土壌の乾燥についても一定の効果はあると思います。
特に夏場の日差しの強い時期、地面があらわになっている場所はカラカラに乾燥していますが、雑草が生えている部分や杉葉がある部分の下は湿り気があることが多いです。
雨の降らない日が続いた時でも朝露がしっかり降りる時があります。
このような時、杉葉の下は湿っているケースがあり、これは杉葉が太陽の日差しをカットし、土壌の乾燥を防いでいることの証です。
これらの効果で、雨の少ない時期でも樹勢が落ちずに済むこともあるんです。
防風垣の手入れで発生する厄介者の杉の小枝や葉ですが、短期間で枯らすことが出来れば園地内で邪魔になることもなく有効利用できると考えています。
最後に、今は年に一度の手入れですが、これを二度実施することが出来ればもっと有効に利用することが可能だと思います。
しかし、ここ佐田岬半島の宇和海側は台風による風の影響が大きく、実に擦り傷が出来たり海の塩による塩害の被害も多く、防風垣の杉でさえも枯れてしまうことがあります。
なので、防風垣の手入れは台風シーズンが終わるまで出来ないのが実情です。
これもこの自然環境の中での栽培なので仕方がないですね…。
当方も柑橘主体の果樹農家です。草の管理ですが、当方は畑を歩く時に樹の周りを踏みつけるだけです。樹齢がもうすぐ70年の50aのポンカン畑は草刈りも除草剤も何もやりません。草刈り、除草剤を止めてから30年余りですが、やっていた頃と比べると、反収が4tと倍になりました。雑草は大気に78%含まれる窒素を葉面から吸収して、土に還元してくれるので、生やしっぱなしが土壌微生物の繁殖にも貢献して最も良いと思います。但し天牛の卵を潰して廻るのに少々手間がかかりますが、、。
コメントいただいていたのに返信できなくてすみません。
しばらくブログをやすんでいたもので…。
昨年から化学肥料や農薬を使わない自然に近い形での栽培に取り組むことになりました。
草の管理に関して大変参考になりました。
ありがとうございます。
これからも色々とアドバイスいただけると幸いです。
よろしくお願いします!