「美味しいみかんは西日が当たる方がいい!」って聞いたことはありませんか!?
たしかに、当園でも西日の当たる時間が長い園地ほど味の濃い柑橘が育っているような気がします。
美味しい柑橘を作るには日照時間が長いことと雨が少なく水はけのよい土壌、そして、温暖な気候であることが大切だといわれています。
これを当園の場所で考えてみると、確かに東向きの園地よりも西向きの園地の方が味の濃い美味しい柑橘が育ちます。
しかし、これは柑橘の種類にもよります。
日照時間に関して、とにかく長い方が良い柑橘と半日でも日照があれば十分な柑橘もあるんです。
通常、朝日の十分当たる園地は西日の当たる時間が短く、反対に西日の当たる園地は朝日が当たらないケースもよくあります。
それに、朝日が当たるのと西日が当たるのとでは暖かさの感じ方が違ってきますよね!
なので、単純に考えると西日に当たる時間が長いほど良いということになるんでしょうか…!?
光合成活動で考えてみると…。
一般的に朝日が出る時間帯と西日が出る時間帯では気温に差がありますよね!
夜に下がった気温が朝日と共に上がって来るのに対し、西日は日中の高かった気温がそのまま影響してきます。
また、光量も午前中が少なく、午後の方が夕方になるにつれて多くなるといわれています。
光合成活動は、通常の場合は温度が高く、光量が大きい方が盛んに行われます。
ということは、午後の方が活発に行われるということになりますね。
しかし、光合成には二酸化炭素と水が必要です。
気温が高く日照も強かった場合、蒸散により水分が減ることによって地面からの水分の供給も少なくなると葉の気孔が閉じて蒸散を防ごうとします。このことによって気孔から吸収される二酸化炭素の量も減って来るので光合成活動が低下することもあります。
つまり、水分の供給が十分でミネラルの吸収も十分に行われ、さらに適度な温度で光量も多ければ光合成活動は盛んに行われるということです。
植物の生長だけを考えると光合成活動は大切なことなんですが、美味しい柑橘を栽培することはそれだけではありません。
すべてにおいて十分な環境では美味しく仕上がらず、適度なストレスがポイントになるのです。
「3つの太陽」も大きなポイントになります!
当園の場合、各園地は飛び地になっています。
南東向きであったり南西向きであったり…。
各園地によって気温はもちろん、日照時間や土壌の保水力など、本当にバラバラです。
特に日照時間に関しては、朝から夕方まで、ほぼ日照があるところもあれば、日の出から半日だけ日照があり、午後には陰ってしまう園地もあります。
このようなバラバラな条件の中で少しでも美味しい柑橘を栽培するため、様々な工夫がされています。
ここ佐田岬半島では急斜面を削って造られた段々畑にすることによって少しでも日照を確保しています。
また、海に面していることで太陽の光が海に反射することにより、さらには段々畑の石垣によっても反射によって光量を確保しています。
つまり、美味しい柑橘を作る「3つの太陽」と呼ばれているのが、さんさんと降り注ぐ太陽と海からの照り返し、そして石垣の反射です。
それに加え、半島独特な水はけの良い土質は柑橘栽培に向いているといわれています!