少し遅れ気味のスタートとなった摘果作業。
梅雨入りしてから天気の悪い日が多かったこともあるんですが、生理落果の落ち着くのが遅くなったこともあたりして遅れてしまいました。
農家さんの中には生理落果が終わらなくても摘果作業を始める方もいるようですが、当園では一応、落ち着くまで待ってます。
毎年、一番最初に摘果作業を始めるのは天草からです。
天草は毎年着果量が多く、隔年がそれほどないので、玉太りを考えると早期に摘果することが大切です。
もう少し着果量が少ないと木への負担も少なくサイズもそれなりによくなってくるのですが…。
着果量の多い原因は樹勢の低下があります。
樹勢が悪くなってくると、木は子孫を残そうと多くの実を着け、種を落とそうとします。
その自然現象の現れなんだと思います。
樹勢を回復させるには根を強くすることが先決です。
その為にも土壌を健全にすること、それから枝を切り返して勢いのある強い芽を出させることです。
短期間で出来ることではないですが、取り組んでいかないと…。
着果量は樹勢の影響!?
通常、結果枝に着果するのが理想です。
ですが、着果量が多くなってくるとそればかりではなく色々な実の着け方をしてきます。
直花といって亜主枝に直接実を着けたり、一本の枝に無数の実を着けることも多々あります。この天草は特に多く、3・4個はざらで、中には7・8個の実が着いた枝もあるほどです。
また、天生り果も多く、着花したものすべてが実になったのではないかと思うくらいに生っています。
このように着果量が多すぎる場合、えてして結果枝が少ないケースもあり、そのことが要因で多くなっているのかもしれないということも考えられます。
また、木全体で多くなっている場合、樹勢が落ちていて葉の数が少ないことが多くみられます。
このことを考えると樹勢が良くなってくると結果枝も多く出させることも可能になるので無茶苦茶な着果量にはならないはずです。
やはり木を元気にすることが大切ですね!
初期摘果は思い切って!
着果量が多い天草は最初の摘果で思い切って摘果します。
摘果を早期にすることで残しておく実のサイズアップにつながるので、出来る限り最初に落としておく方が良いということになります。
ですが、これはサイズアップだけのことを考えればのこと…。
着色や糖度のことを考えると早いことが良いということでもなく、その年の気象状況を読みながら摘果することが重要なんです。
雨の多い年は落としすぎると糖度が乗らず、サイズも規格よりも大きくなり過ぎたり、雨が少なく乾燥した日が多くなると玉太りが悪く、実を多く着けておくほど木への負担も多くなるので樹勢の低下を招きます。
柑橘栽培は一年に一度の収穫です。
ある意味、「ばくち」といわれるほど、気象状況の読みによって良い品質のものが採れるか採れないかが変わってきます。
このようなこともあり、安定生産のためにも摘果は重要な作業になってくるということです!