柑橘の実の着け方は様々…。
どれも綺麗な結果枝に実を着けてくれればいいのですが、実際はそういうわけにはいきません。
一本の結果枝に無数の実を着けるものや、極端に小さな実、さらには亜主枝などに直接実を着けるものもあります。
このように、実の着け方のおかしいものは食味にも影響があるようで、酸抜けが悪く糖度が低かったり、大きく生らなかったりします。
このような実の着け方をするにはそれなりの理由があると思うのですが…。
たぶん、このような実の着け方をする木には結果枝が少ないのも理由の一つで、結果枝がないことによって様々な部分から花芽が出てしまい、着果することもあるのではないかと思われます。
このような着果状況にならないようにするには剪定を的確に行うことと、木の樹勢を高めることが大切だと考えています。
すず生り果の発生する理由は…。
柑橘の実の着け方はその種類によって違ってきます。
当園の栽培している品種の中では天草が典型的で、とにかく毎年実を多く着けます。その年によっては多少の増減はありますが、全体的に多い方ですね。
その天草とは反対に隔年がひどく、全く実を着けない木もあるのがはるみです。
このはるみという品種は隔年がひどいのが特徴でもあるのですが、年によっては本当に実を一つも着けない木もあるほどで、その翌年には極端に多くの実を着けることが多いんです。
ひとつの枝に無数の実を着けることが多い天草やはるみですが、そのような着果をするにはそれなりの理由があるのだと考えられます。
最も大きく影響を与えていると思われるのが剪定です。
基本的に不要な枝を切る間引き剪定によって樹冠内部にまで日光が当たるようになり栄養状態も良くなることで結果枝が多く芽だって来るようになります。
そして、摘果作業によってこの結果枝についた実を残すことで理想的な着果状況を作り出すことが出来ます。
つまり、新芽が出来る前の剪定作業によって良い状態の結果枝を芽立たせすことが大切だということになりますかね…。
理想的な着果量を作り出すために…!
一般的によくいわれている実を多く着ける要因とは、その木の樹勢が弱っていていることによって、子孫を多く残そうとして実を着けていると考えられます。
しかし、近年の柑橘栽培においては、剪定技術の向上と肥料を与えることによって毎年多くの実を着けることが可能になったようです。
安定した品質と数量を確保するためには、このように着果量が多く、それを摘果によってサイズ調整するのが理想的だともいわれています。
たしかに薄生り(着果量が少ない)の場合、奇形果が多かったり、果皮が厚く粗目で果汁の少ない実が多くなるケースが多いことも事実です。
特に清見タンゴールにおいてはこの傾向は強く、毎年、着果量を多くすることが理想といえます。
理想的な着果量を確保するためには剪定作業と摘果作業を毎年欠かすことなく的確に行ううことが大切です。
この辺りでは良く「ハサミを入れないと生らない!」といいますが、正に剪定作業の重要性をいったものだと考えられます。
たくさんの実を着けたら摘果によって適量にまで着果量を調整することも重要になってきます。
摘果の時期と量を的確に行うことによって翌年の着果量にも影響が出てくるので、隔年防止のためにも大切になる作業だと考えています。