えひめの独自ブランド「甘平」の生育状況と裂果対策!

甘平の実

柑橘王国・愛媛の独自ブランド「甘平(カンペイ)」。
その果実は温州みかんのように手で簡単に剥け、中のじょうのう膜(内袋)もかなり薄いのでそのまま食べれます。
食味はとても甘く「シャキシャキ」「ぷちぷち」とした食感が特徴です。
甘い柑橘が好みの方には大変人気がある柑橘のひとつです。

この甘平、実は栽培するのがとても難しい品種だといわれています。
とくに問題なのが夏場の裂果!
園内土壌の水分管理がとてもシビアで直ぐに実が割れてしまうことが多いんです。
そのため精品率が悪く、20%程度ともいわれるほどです。
しかも、甘平の上級品種「愛媛Queenスプラッシュ」ともなると…。
それほど効率の悪い柑橘なんです。
なので、ハウス栽培が無難なようです。

うちの園でも試験的に栽培しています。しかも、露地栽培で!
その数、なんと5本。(栽培しているってほどでもないんですが…。)
ここ佐田岬半島の自然の中でどう育ってくれるのか試行錯誤の日々が続いています。
大量生産できるような環境ではないと思いますが、この自然環境で栽培した甘平を食べて頂きたいと思っています。

 

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現在の生育状況は…!?

甘平の木今年の着花量は比較的少なく、いわゆる無駄花が少なかったようです。
その後、順調に育ち、この夏場の小雨にもなんとか耐えてくれました。
そのせいか実の数もそこそこで、比較的順調だといえます。

しかし、9月に入り雨が降り始めるとやはり裂果の症状が出始めました。
これは甘平だけではなく、不知火(デコポン)をはじめ、清見タンゴールなどにも出始めてくることが多いんです。
そして、今から雨量が多くなる秋にその状況が悪化してきます。
その傾向がより強いのが甘平ということです。

昨シーズンは着果が多かったので、玉太りを良くしようとして摘果を急ぎ、さらに、裂果したものをその都度摘み落としました。
その結果、裂果の症状を悪化させてしまい収穫量が激減したという結果に…。

その経験から、今シーズンは着果量も適度に多い程度だったので、摘果をせずにそのまま放置し、裂果したものもそのまま摘み落とさずに様子をみています。

 

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裂果の原因と対策!

甘平の裂果今年のように夏場に雨が少なく、初秋に雨が多く降ってくると裂果の症状が出ることが多くなります。
しかし、これはあくまでも路地栽培のことで、完全に管理されたハウス栽培ではそれほど深刻な状況にはならないと思います。
水などの管理が出来て入ればの話ですが…。

裂果の原因は花が咲いたあとから果汁が多くなる時期、6~9月頃に水分量が少なく、その後、土壌中の水分量の変化が大きいためだとも考えられているようです。

甘平の裂果現象は8~10月の頃によく発生します。
なので、この時期に雨が多いと裂果を助長するのかと思っていました。
確かにその傾向もあるようですが、5~7月の雨量にも影響されることが分かってきたようです。この時期にたっぷり水分を吸収することで裂果の症状が抑えられるデータが出たようです。
それでも約2割弱が裂果してしまうという結果になったようなので、手探りの状態が続きそうですね…。

いずれにせよ、まだ裂果に対する効果的な方法が確立されていないので、当分は手探り状態で栽培することになるでしょう!
安定生産への道のりは厳しそうですね…。

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