柑橘の病害虫の中でも厄介なのが天牛です。
正式な名称はゴマダラカミキリといい、天牛という呼び名は中国名です。
カミキリムシの仲間は日本国内に約800種類いるといわれていて、昆虫愛好家の中では人気のようです。
そういえば、幼いころ採って遊んでいた記憶があります(笑)
この天牛は柑橘の害虫としても要注意の害虫のひとつで、多くの植物に寄生し被害を与えます。
これの被害にあった柑橘の木、特に若木の場合、たった1匹のゴマダラカミキリが幹に食い込んだだけで木が衰弱したり、枯れてしまうほど大きな被害を与えることがあります。
数ある害虫被害の中でも1匹が与える被害の大きさは最大級といえます。
この天牛による被害を防ぐ方法として良く知られていたのが捕殺です。
現在のように殺虫剤が進歩していなかった頃は、捕殺するのが一般的でした。
一時期、農協が一匹数円で買い上げていた時期があるほどなんですね!
そこまでしてでも対策を必要とした厄介な害虫だったともいえます…。
天牛の生態は…。
この天牛の大きさは約4㎝弱で、全体的に黒色で白い斑点があるのが特徴です。
そして、触覚が長いのも特徴の一つで、雄の場合だと体の約2倍近くもあり、雌の場合はそれよりは若干短く1.2倍程度だそうです。
天牛の卵は地面に近い木の幹の部分の形成層に産み付けられます。産み付けられる数は平均で約200個にもなるとか。
やがて付加した幼虫は形成層から木質部へと食害しながら進み、そこで越冬します。この時に木くずが出てくるので被害の有無が判断出来ます。
その後、5月下旬頃から羽化し始めてきた成虫は葉や枝を食べながら交尾をして、木の形成層に卵を産み付けます。その産み付けられた部分からはが出てきたり樹皮の色が変色したりするので注意深く見ていれば発見できるようです。
天牛の被害を防ぐには!?
この厄介な天牛の被害を防止する最も簡単な方法は捕殺です。
一見、途方もない方法だと思いがちでしたが、誰にでも出来そうな簡単な方法であり、持続可能でもあったようです。
それは、各地の農協が捕獲した天牛を買い上げていたことが持続していた要因のひとつだと考えていいでしょう!
天牛は移動性が高く、広範囲に渡って被害をもたらすので、有効な薬剤がなかったころとしては地域内の発生密度を下げるためにもこの買い上げ方法が有効だったといえるかもしれません…。
また、成虫を駆除するための方法としては薬剤の散布があります。また、基幹部に侵入している幼虫については殺虫剤の注入も効果があるようです。
何分、広範囲に移動する害虫なので、各園地において地道な駆除活動が必要になるのでしょう!