海抜が低くて日照時間も長く、清見タンゴールの栽培に適していると思う園地のひとつで、清見タンゴールの木が少しづつ枯れてきています。
といっても、ある1本の木だけなんですが…。
これの原因としてはゴマダラカミキリの食害、もしくは材質腐朽菌が侵入したものと思われます。
根元付近を確認したんですが、ゴマダラカミキリの食害による穴は見当たらなかったので、剪定などによって出来た切り口から侵入した材質腐朽菌の仕業だと思います。
前回は枯れた枝の部分だけを切って処理したのですが、その時よりも根元部分が枯れてきているので主枝の根元までさかのぼって切ってみました。
そして、切り口には処理剤を塗っておくと良いらしいのですが、このあたりの農家さんはあまりしないようです。
もしかして、この処理をしなかったために腐朽菌が侵入したのかも…。
また、木の樹勢が悪くなると菌への抵抗力がなくなり、感染しやすくなるので元気な木にしておくことが大切なようですね。
先端の枝から枯れてくる状況…。
今回のような現象は先端の枝の部分から枯れてくるのですが、ゴマダラカミキリの食害にあったのであれば根元付近から影響が出ると思うので、主枝全体が枯れてくるようにおもうのですが…。
このように先端の枝から枯れはじめ、徐々に根元部分へと枯れてくるのはなぜなんでしょうかね。
栄養分が行き届かなくなるのが先端部分が先なので、そうなのだろうとは思ってるんですが、正確なところは分からないんです!
今回、枯れた主枝の根元部分を切った断面を確認すると、予想通り枯れていました。
この状態では栄養どころか水分も送ることが出来ないですね。
枯れてしまうのも当然です…。
この枯れた木なんですが、特に今シーズンは着果量も多かったこともあり、負担が大きかったことも枯れた要因かも知れないですね。
木の皮が剥がれている症状が多くなって来ています!
当園全体にいえることなんですが、木が古くなっている園地が多く、すでに20年を超える木も多数あります。
そのように古くなった木によくみられるのが皮が剥がれてくる症状です。
これらは腐朽菌が侵入してきている証のようなもので、木そのものの抵抗力が低くなっているのだと思われます。
樹勢の低下によって細菌への抵抗力も衰えてきているのでしょう!
木の勢いを取り戻すには根が重要な役割を果たします。
細根を増やし、木に元気を取り戻させ、若返りを果たすことで病害虫や細菌などへの抵抗力をつけさせることが大切です。
その第一歩として土壌の健全化も大切で、最近、酸性化しているといわれている柑橘園ですが、この土質改善が急務になってきているような気がします。
とりあえず、今シーズンの収穫が終わったら苦土石灰を施用してみようと思っています!