今シーズンの清見タンゴールは裏年の影響をもろに受けている!?

清見タンゴールの着果状況

今シーズンの清見タンゴール、着花量は多く、その流れを受けて着果量も多かったのですが、生理落果もほぼ終了した現在は不作といえるほど着果量が少なくなっています。
いわゆる裏年という状況ですね…。

昨シーズン、過去最高ともいえる収穫量を記録した清見タンゴールでした。
しかし、品質的には黒点病の大発生と台風の暴風による擦り傷の影響であまり良くなかったのと、熟すのが早く早い段階での腐敗果の発生で収入は激減。
こんな状況の中、木への負担が大きかったのが影響して花の量も多く、当然ながら実も多くなりました。
これは樹勢の衰えともいえ、その後の生理落果の動向が気になっていたのですが、生理落果が進んでも着果量が多めに推移していました。

それが、先日からの気温の上昇で一気に落果が進み、着果量が激減!
多めだった着果量も一転、不作といっていいほどの量にまで落ちてしまいました。
木の理性が働き実を落とし、樹勢の回復を図ったものと思われます。
それはそれで仕方がないでのですが、この後の摘果作業によって来シーズンの生産量にまで影響が出ないようにすることが大切になってきました。

とりあえず今シーズンは着色促進と極端な肥大化の防止対策として、摘果の時期を遅くし、落とす量も最小限にとどめることがポイントになって来そうです!

 

薄生りの時は大玉傾向に!

清見タンゴールの実

今シーズンの清見タンゴールは春以降に着花量が多く、そのままの流れで着果量も多くなっていました。
その後、生理落果が始まり第一落果、第二落果と進んで行くうちに落果する量も少なくなり、今シーズンも着果量が多くなるのかと思っていました。
しかし、ここ数日の気温の高さと雨が少なかったことが生理落果を一気に助長させたようで、着果量を激減させました。
今現在では不作といえるほどの着果量しかなく、まさに裏年といって良いくらいにまで減っています。

このように着果量が少なくなると心配なのが実の肥大化です。
当然ながら1本の木に生っている実が少ないと栄養分が十分に供給されるので実そのものは大きくなる傾向にあります。
清見タンゴールは大きくなれば良いというわけではなく、適度な大きさが要求されます。そのため、肥大化した果実は逆に商品価値が下がるといっても過言ではありません。
サイズ的にはL・2Lサイズが好ましいとされていますが、個人的にはL・Mサイズを目指して栽培したいと考えています。(この件に関しては機会があればお話することにします。)

 

薄生りの時の摘果作業は…!?

清見タンゴールの不着果枝

生理落果が終わると摘果作業を開始するのですが、この園地のように薄生りの場合はどのように摘果すればいいのでしょうか!?

これまでの経験では、摘果を行うのは着果量の多い木から始めます。
少ない木は出来るだけ遅くに摘果するようにして、果実の肥大化を抑制し、着果量をキープして着色を促進させるようにします。
そして、葉80枚程度に1個の実を生らすといった感じではなく、木全体の着果量をみて判断するようにしています。
ある結果枝では着果量が多くなっていても他の結果枝には全く生っていないといった状況もあるので、全体のバランスをみるということです…。

このようにして、最終的には直花果や奇形果、キズあり果を落としていくようにします。
これは当園で行っている方法で、一般的な方法だとはいえません。
それぞれの栽培農家さんでそれなりの方法があると思います。

そして、裏年になった木でも来年に向けた準備は必要です。
今シーズンは樹勢の回復のために休んでいるので、勢いが戻ってくるとまた着果量が多くなり隔年を繰り返すことになるので、来シーズンに向けての剪定作業をしっかりすること大切です。

 

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