生理落果の終った不知火の着果量は昨シーズンの80%程度!?

不知火の着果状況

梅雨入りをまじかに控えた今日この頃…。
各柑橘の生理落果もそろそろ終盤になってきました。
この園地は海抜が高く、比較的着花量も少ない方だったのですが、生理落果もそれほど進まず、このまま残っていくのかと思ってました。
ところが、ここへ来て一気に玉を落とし、昨年に比べると少ない状況になってきました。

生理落果はその年によってバラツキはありますが、例年だと第一落果、第二落果と進むにつれて落とす量も少なくなるのが必然的のはずなのですが…。
終盤に一気に落としてしまうという現象はどういったことなんでしょうか!?
様々な気象条件も影響していることだとは思いますが、これまでになかった状況のように感じます。

結果的に考えると、昨シーズンは表年ということで着果量が多かったこともあり、その反動で少なめになったということなんだろうと思われます。
つまり、裏年ってことになりますかね…。
まだ今の段階では正確な着果量は分かりませんが、大体の感じでは昨シーズンの80%程度に落ち着いているよう思われます。

生理落果は2℃の気温上昇が大きく影響する!

不知火の落果状況

果実が実を着け、自らの判断で着果量を調整するために生った実を落とすことを生理落果といいますが、柑橘栽培においてもこの現象は顕著に表れます。
着花量が多いと必然的に着果量も多くなります。そのまま実が成長してくると木の栄養分が実の方に吸収されてしまうので樹勢が落ちてきます。
その為、樹勢を確保するために落果させるのが生理落果といわれる現象です。

この生理落果という現象、これまでは気温が5℃以上上昇した場合に生理落果が進むといわれてきました。しかし、ここにきて2℃気温の上昇が影響を及ぼすことが分かってきたようです。
特に不知火においては影響が顕著で、2℃気温が上昇すると一気に落果が進むといわれています。
たしかに、先日当たりの気温は高めで、最高気温においては30℃に迫るほどでした。この影響で落果が一気に進んだものと思われます。

 

不知火は生理落果を終えた後の摘果が大切!

不知火の生育状況

生理落果がひと段落すると摘果作業へと作業はシフトしていきます。
この摘果作業は柑橘栽培の上でとても重要で、今シーズンの生産量や品質はもとより来シーズンの着果量にも影響を与えるので大切な作業になります。

特に不知火は着果量が多いと樹勢が低下しやすいようです。また、着果量が多いほど小玉のになり、その結果、隔年を引き起こしやすくなります。
その為、生理落果の終えた今の時期から6月下旬までに粗摘果をすることが大切だといわれています。
この時には、直花果や奇形果をはじめ、キズの確認できる実を対象に摘果しておきます。
ちなみにこの粗摘果は全体の摘果量の80%を目安に行うと良いとされていますが、そこまでは案外出来ないものです…。

このように生理落果の後に粗摘果を行うことで残した実の肥大化促進や夏梢を発生させることが出来るし、その結果、細根が増え果実の減酸にもつながるようです。
っと、理屈では分かっているのですが、実際に行うのは大変です。
園地や木の状況をみながら作業を確実に進めていくことが重要かと思います…。

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