夏肥と春肥の違いは微量要素のマンガンとホウ素!?

夏肥の入荷

春に予約していた夏肥が本日入荷し、引き取りに行って来ました。
春肥の施用が終わる頃、早くも夏肥の予約…。
JAも抜かりがないですね!

さて、この夏肥なんですが、チッソ・リンサン・カリの割合が10・8・8です。
ちなみに、春肥もこれと同じ量のチッソ・リンサン・カリが含まれています。
このように主な成分は同じものだといえますかね…。

ところが、春肥には微量要素のマンガンとホウ素がプラスして含まれているんです。
といっても量的には微量ですが、それなりの効果を求めてのことで、マンガンは、落葉の防止や小枝を枯れることを防止する効果があります。
また、ホウ素に関してはマンガンが葉や小枝に影響を与えるのに対し、ホウ素は果実そのものにその影響を与え、果皮がデコボコになるなど粗くなることがあります。

このように発育期の葉や実に影響を及ぼすマンガンとホウ素…。
過剰摂取が問題になることはありますが、欠乏することでも影響が出ることが確認されていることから、春肥に混ぜ合わせ使用することになっているようです!

 

微量要素は大切です!

春肥と夏肥

植物の成長に必要不可欠な栄養素のひとつに微量要素があります。
これはホウ素やモリブデン、亜鉛にマンガン、銅、鉄といった成分のことをいいますが、本来、土壌にはこれらの元素が含まれています。
しかし、柑橘栽培の圃場においては長年の栽培によって欠乏してくるケースが多く、適切に与えてやることが大切だといわれています。
今回入荷した春肥にはマンガンとホウ素が 含まれているのですが、必要な栄養素の吸収を助けるうえでもこれらは必要になってきます。

栽培の上で大切な栄養素としてチッソ・リンサン・カリ・マグネシウム・カルシウム等があります。
これらは多量要素と呼ばれ作物の体内に0.1%以上存在しているといわれていて、必要不可欠な要素だといえます。
当然ながらこれらの成分を与えることになるのですが、単純にこれだけを与えていれば良いというわけではありません。
これらの成分を効率よく働かせるためにも必要なのが微量要素です。
この微量要素の補助的な働きなしでは植物の成長に大きな役割を果たす多量要素を効果的に得ることができないということになりますね!

ホウ素とマンガンについて…。

マンガンとホウ素

では、春肥に含まれている微量要素について確認してみます。
先ずはホウ素について…。
植物の細胞を作るため、とても大切な働きをするといわれているのがこのホウ素です。
植物が水分や炭水化物、そして窒素の代謝、さらには糖やカルシウムの吸収に関わる大切な働きをしています。
花や実、そして根の成長にとって欠かすことの出来ない栄養素で、これが不足すると新芽が枯れたり、根の成長が悪くなったりと植物の成長に障害を与えることがあります。
また、過剰になりすぎると葉が黄色くなったりして障害を引き起こす場合があります。
次にマンガンですが、これは光合成を行ううえで必要な成分のひとつで、酵素の活性化を補助する役目があります。
これが不足すると葉が黄色くなり、病気にかかりやすくなることがあるようです。さらに、不足した状態が続くと葉の一部に斑点がでるケースがあるようですが、基本的に不足することはほとんどないようですが…。

このように微量要素が不足すると成長が悪くなったり黄色く変色したりします。さらに症状が進むと枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
植物の成長段階において大切な役割をもっている微量要素ですが、過剰摂取によっても弊害があるようなので、春肥には配合させていて夏肥にはされていないのだろうと考えます。
ほんとに微量なのですが、その果たす役割は大きいことを認識しておく必要がありますね!

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