作業日記

作業日誌(はるみ摘果玉・製炭用収穫)

2025年11月5日 曇り 14.1℃

園地:トミノカ(はるみ)

作業内容

今日は製炭用のはるみ摘果玉の収穫を実施。

もちろん、道の駅きらら館で販売するための見た目の良い果実もその中から選別したが、それ以外の果実は乾燥後に製炭する予定。

これまで摘果玉といえば、害虫被害や果皮障害などで販売できなかったものは廃棄するしかなかったが、製炭化を進めることで新たな価値を生み出せる可能性が見えてきた。

前回の試作結果でも、柑橘果実のバイオ炭は炭化状態が良好で美しい仕上がりとなり、今後は商品化の方向で検討を進めていく。

特に柑橘を原料にしたバイオ炭は、まだほとんど例がないため、「ユウギボウシ愛媛」らしいリジェネラティブな発想の新商品として高い付加価値を持たせることができそうだ。

所見・メモ

・今回使用するカットしたはるみの摘果玉は乾燥も進んでおり、炭化の進行がスムーズにいく見込み。

・果皮障害果や形の悪い果実も、炭化によって一つの資源として蘇る。

・このプロセスは、今後の「循環型農業」の中で重要な要素になりそう。

・乾燥段階では除湿管理を徹底し、炭化時のひび割れ抑制と形状保持を意識した。

作業日誌(ねのfarm・サンフルーツ製炭と杉準備)

2025年11月4日 晴れ 15.8℃

園地:ねのfarm

作業内容

本日は窯出し作業。

今回使用した原木は、ねのfarm内で耕作放棄されていたサンフルーツの木と、他園地で伐採された同種の木を合わせたもの。

長期間乾燥させていた影響で、一部崩れている炭も見られたが、炭化状態は良好で全体として品質は安定している。

また、柑橘(はるみ)の摘果玉を半分にカットして製炭したバイオ炭もきれいに仕上がっており、果実の構造を活かした形状が印象的な出来栄えだった。

今回の歩留まりは19.8%。

前回に続き安定した結果で、炭化工程がほぼ確立してきたといえる。

窯出し後は、次の製炭に向けて杉材の準備作業を開始。 

柑橘とは異なり、杉は密度が粗く柔らかめの材質のため、どのような仕上がりの炭になるか期待が高まる。

所見・メモ

・今回の炭は軽量で通気性が高い。土壌改良材としてのポテンシャルが高い。

・果実由来の炭は形状の面白さから、アート素材・装飾用としての展開も見込める。

・今後は、柑橘系・広葉樹・針葉樹の炭質比較データを蓄積し、用途別に最適化していく予定。

・製炭後の灰分も分析し、ねのfarm循環プロジェクト内での完全利用を目指す。

作業日誌(太田ポンカン・摘果玉の収穫)

2025年11月3日 曇り 19.2℃

園地:ウマキ(太田ポンカン)

作業内容

今日は道の駅きらら館への補充のため、太田ポンカンの摘果玉を収穫。

摘果とはいえ、あと2ヶ月弱で本格的な収穫期を迎える時期。

果肉の状態を確認するために、小玉とレギュラーサイズの2種類をカットして比較した。

結果は、酸味はまだしっかりしているが、エグ味がかなり減少。

果肉の色づきも進み、自然栽培ならではの“やわらかな酸味”が感じられる段階に。

このタイミングの摘果玉が地元で人気を集めている理由も、この“果肉の美しさと味の変化”にあるのかもしれない。

所見・メモ

・果皮はまだ緑が強いが、果汁量が増し、果肉の張りも良好。

・自然草生による水分バランスが適度に保たれ、樹勢も安定している。

・今回の収穫分は、きらら館の直売所で販売予定。

地元客のリピート購入が多く、試食を通じたファンづくりにもつながっている。

これからの約2ヶ月は、味の乗り方を見極めながら、

樹上での熟成を進めていく大切な期間になる。

作業日誌(ねのfarm・バイオ炭選別作業)

2025年11月2日 晴れ 13.8℃

園地:ねのfarm

作業内容

昨日(11/1)に窯出ししたバイオ炭の選別作業を実施。

粒径によって用途が異なるため、ふるい分けを行い大・中・小の3タイプに分類した。

大粒(左):形状や模様を活かして観賞用・花炭アートなどに。

中粒(中央):消臭・除湿・保湿効果を活かした生活環境改善資材として利用。

小粒(右):土壌改良用に最適。微生物の住処として機能する。

さらに、この選別炭の一部を、今後出展予定の**「エコプロ2025」用サンプル品**として整え、ねのfarmブランド「ne no wa」のラベル入り袋に梱包した。

所見・メモ

今回の炭は、前回よりも炭化度が均一で軽量感が高い仕上がり。

素材に使用したサンフルーツや清見タンゴールの木の違いが、それぞれの炭の質感にも表れているのが興味深い。

また、選別作業を通じて、製炭工程の中での歩留まりや粒度分布の把握が進んだ。

これにより、次回以降の生産計画や、販売・展示向けのラインナップ構築がしやすくなる。

ne no waブランドのパッケージも完成し、「炭のある暮らし」をテーマにした循環型商品の形が見えはじめてきた。

作業日誌(ねのfarm・窯出し作業)

2025年11月1日 晴れ 13.9℃

園地:ねのfarm

作業内容

本日は窯出し作業を実施。

前回(10/29)に製炭した炭を取り出し、品質と形状を確認した。

全体的に炭化状態は良好で、焼きムラの少ない仕上がりとなった。

バイオ炭については、粒の大きさによって用途が異なるため、選別作業(ふるい分け)を行うことが今後の重要な工程となる。

細粒は畑の土壌改良用、粗粒は貯水・消臭・調湿などの生活利用へと使い分ける予定。

また、花炭(はなすみ)も非常に良い状態で焼き上がり、繊細な造形と炭特有の光沢が確認できた。

この製炭方法を基盤として、今後は生産量を増やし、バイオ炭にアート的価値を付加した商品化を目指していく。

さらに、無煙炭火器で製造した炭も十分に乾燥が進んできた。

園地投入(地表・スポット法)に向けて準備を整えている。

所見・メモ

今回の窯出しでは、花炭の造形の再現性 、木質炭の炭化度(温度600℃前後) 煙突温度と燃焼時間のバランス などを記録。 今後は、製炭炉・無煙炭火器・ドラム缶式釜の比較データを取りながら、 それぞれの特徴を分析していく予定。

特に、花炭とバイオ炭の“二重構造”による地域循環モデルを形にすることで、「見て楽しむ炭」から「活かす炭」への展開を図っていく。