作業日記

作業日誌(ねのfarm 製炭作業)

2025年10月29日 晴れ 14.4℃

園地:ねのfarm

作業内容

本日は製炭作業を開始!

今回の原料はサンフルーツの木。

さらに、花炭づくりのために乾燥させたはるみの果実・イガ付きの栗・チャコールペンシル用の小枝も一緒に投入した。

作業開始は午前8時30分。

時折風が強く吹く中、メンバーと協力しながら慎重に進めた。

着火後は次回に向けた製炭準備も並行して行い、製炭炉の計器を随時チェックしながら工程を管理。

夕方16時15分、全工程を無事に完了した。

所見・メモ

今回の製炭では、「果実と木の融合による花炭づくり」を試みた点が大きな特徴。

はるみの断面が持つ繊細な構造と、炭化による独特の色味の変化がどのように仕上がるか楽しみだ。

また、チャコールペンシル用の素材として枝を同時に炭化することで、“書く”と“飾る”を結ぶ炭の循環デザインを実践できた。

今後は炭の品質(硬度・導電性・色)を確認し、展示・商品化に向けた検討を進める予定。

作業日誌(はるみ乾燥工程の確認・防風垣手入れ)

2025年10月28日 晴れ 19.0℃

園地:はるみ乾燥打合せ

   午後→ ウマキ(清見タンゴール)

作業内容

午前中は乾燥工程に入っているはるみの様子を確認。

まだ果汁が完全に抜けきっておらず、除湿を続けながらじっくり様子をみることになった。

乾燥工程では、果実内部の水分移動を穏やかに進めることが品質保持の鍵となるため、焦らず段階的に仕上げていく予定。

午後からはウマキ園地で防風垣の手入れを実施。

今年は台風の影響が少なかったとはいえ、防風垣の健全性を保つことは、今後の果実品質に直結する重要な作業。

剪定や枯枝の整理を行い、風通しを確保した。

所見・メモ

はるみの乾燥では「香りの残り方」と「色の保持」がポイント。

乾燥が進みすぎると香気成分が飛ぶため、自然乾燥+除湿制御でゆるやかに進める方針とした。

また、防風垣は“ただの風よけ”ではなく、微気象を整える生きた壁でもある。

湿度、風速、光量のバランスを整え、園地全体の環境を守る役割を果たしている。

作業日誌(ポンカン摘果玉の収穫)

2025年10月27日 晴れ 18.4℃

園地:ウマキ(太田ポンカン)

   トミノカ(はるみ)

作業内容

今日は太田ポンカンとはるみの摘果玉の収穫を実施。

道の駅で販売していた太田ポンカンの摘果玉が好評で、在庫がなくなったため、追加分を収穫することにした。

これまでポンカンの摘果玉を何かに利用することはほとんどなかったが、当園の栽培方法を伝えるための“生きた教材”としての価値を改めて感じている。

所見・メモ

摘果玉は、一般的には出荷対象外として廃棄されがちな果実だが、当園では農薬を使っていないからこそ、香り・味わいともに自然そのものの素材として利用できる。

この「摘果玉を活かす」という取り組みは、単に廃棄を減らすためではなく、リジェネラティブ農業の思想そのものでもある。

木の成長を整える摘果の工程を、そのまま“命を循環させる行為”として捉える。

その考え方が、消費者にも少しずつ届いていることが嬉しい。

作業日誌(オゴロのサンフルーツ園地整備)

2025年10月26日

曇りのち晴れ 14.1℃

園地:オゴロ(サンフルーツ)

作業内容

今日は雨上がりの早朝から下草の処理を実施。

水分をしっかり含んだ草は刈りやすいため、

あえてこのタイミングで作業を行うようにしている。

この園地のサンフルーツの木はやや大きめで、

根の保護と地温の安定を図るために、

草丈はあえて少し長めに保つように管理している。

また、当園のすぐ隣にある耕作放棄地の手入れも実施。

園地の環境だけでなく、周囲の生態系の維持も

柑橘の健全な生育に深く関わってくると考えている。

所見・メモ

草の管理は単なる“除草”ではなく、

土壌の呼吸や水分バランスを整えるための重要な工程。

風通しや日当たりを考えながら、

樹勢や果実の状態に合わせて調整を続けていく必要がある。

耕作放棄地を放置すれば、病害虫や雑草種の拡散源にもなりうる。

だからこそ「自園地+周囲の環境」を一体として考え、

地域全体の再生を意識した管理を心がけている。

作業日誌(無煙炭火器によるバイオ炭づくり)

2025年10月25日

曇り時々雨 気温:15.4℃

バイオ炭生産量:7kg

園地:ねのfarm

作業内容

今日は無煙炭火器を使ったバイオ炭づくりを実施。

原料はサンフルーツの剪定枝を中心に使用した。

これまで自然と向き合う形で、どうすれば地域資源を活かしながら未来につなげられるかを考えてきた。

その中で「炭化器の特徴を見極めること」も大切なテーマとなっている。

今回は3種類の炭化器を使用したことを仮定し、それらを実際に使用した時のことをイメージし、比較しながら作業をした。

製炭炉:丸太などを高品質なバイオ炭に仕上げられる。

ドラム缶式炭焼釜:森の中など狭いスペースでの製炭に向く。

無煙炭火器:真上に障害物がなく、風のない小雨の日に最も安定して稼働。

天候や設置条件によって仕上がりに差が出ることもあり、今回は無煙炭火器の特性を改めて確認する良い機会となった。

所見・メモ

小枝中心の原料だったこともあり今回は無煙炭火器で行なった。

燃焼も安定し、灰化を抑えながら理想的な黒色の炭に仕上がった。

ただし、森の中での作業にはこの無煙炭火器は向いていない。炎がもろに外部に出るのは望ましくないからである。

その点、ドラム缶式炭焼釜はそのリスクは少なからず回避できる。

炭づくりは天候と地形、風の流れなど自然との対話そのもの。

効率よりも「その時々の環境に合わせる柔軟さ」が求められる。

今後もそれぞれの炭化器の特徴を活かしながら、

最適な使い分けを模索していきたい。