柑橘には本当にたくさんの種類があります。
全国では毎年、様々な品種を掛け合わせて今のニーズにあった柑橘が栽培されています。
そんななか、ここ愛媛でも紅まどんなや甘平といった愛媛独自のブランド柑橘が注目を浴びていますね。
当園でも甘平を試験的に栽培しています。
先日、その甘平の様子をみてきました。
着果量は昨年よりも若干少なめです。
玉太りもまずまずの状況ですが、このところの猛暑と雨量が少ないことで多少の影響は出ると思います。
木そのものの樹勢は悪くはないのですが、今後雨が降ると裂果の症状が出ることは間違いないと思われますね。
甘平は最初に着けた実の約20%が収穫できれば良い方だといわれています。
土壌内の水分量の調整が特に大切なようで、ここ佐田岬半島のような水の少ない地域には向いていないともいわれています。
しかし、付加価値の高い柑橘としての魅力もあり、生産者が増えているようです。
当園では、適地適作を一番と考えているので、この甘平の生産に本格的に取り組むことはないと思いますが、一応、お客様の要望もあり、また、話題性のためにも少量は栽培していくつもりです…。
スポンサーリンク
[ad#blog-yugiboushi-site-01]
地下水の通っていると思われる場所で栽培している甘平!
甘平という柑橘は水を必要とします。
しかも春先から秋口にかけて安定的な水分量が必要なようで、冠水設備の整った園地が適地だと思われます。
つまり、常に水分量が安定していることが大切だといわれています。
渇水になった時に冠水するのではなく、渇水にならないようにすることがポイントになります。
そういうわけで、ここ佐田岬半島のように水資源に乏しい園地での栽培では冠水設備が必須になるということです。
当園でも栽培にチャレンジしていますが、園地は地下水(ちかみず)が流れているであろう場所に植え付けています。
それが良かったのか、今のところ枯れ目をみせることもなく順調に育っています。
スポンサーリンク
[ad#blog-yugiboushi-site-02]
甘平はカイヨウ病に弱いですね…。
この甘平という柑橘はカイヨウ病に弱いという欠点があります。
なので、風対策が重要になります。
ここ佐田岬半島は夏は台風などの影響で南風が強く吹くことがあり、冬場は北寄りの強い風が常に吹いているところ…。
当園は宇和海側なので、南風に注意が必要です。
防風垣はありますが、なるべく南風の当たらない園地が良いと考えていました。
今、植え付けている場所は南風をかわすことが出来ます。しかも、水分もそこそこ含んでいる土壌なので、ある程度は栽培出来る環境にあるのではないかと…。
そのような環境でもカイヨウ病の発生は防げません。
ICボルドーの散布によってどれくらい防除できるのかが今後の課題となっています。
甘平のようにハウス栽培が奨励されている種類を路地で、しかも、半島の厳しい条件下で栽培しようとしているのだから難しいのは当然ですが、栽培できた果実を食味すると濃厚な味になって美味しく仕上がっています!
問題は付加価値商品としての品質を確保できるのか…。
当園のように限定的な生産量であればそれほど気にすることはなさそうですけどね。