無煙炭火器

作業日誌(バイオ炭作りと出前授業)

2,025年11月13日

雨のち曇り 13.5℃

園地:午前→ねのfarm/午後→三崎高校出前授業

作業内容

午前中は雨のなか、ねのfarmで無煙炭火器を使った製炭作業を実施。

杉葉や広葉樹の小枝を炭化させる試みを行ったが、燃焼・炭化・冷却を一気に進める無煙炭火器の特性上、やはり難しさを実感した。それでも杉葉も一部はしっかり炭化しており、今後に繋がる手応えを得ることができた。

午後からは三崎高校で出前授業を実施。

はるみ・栗・ヤマモモで作ったチャコールペンシルを実際に手に取りながら、バイオ炭の可能性や商品としての展開について高校生たちと意見交換を行った。現場の視点とは違う柔軟な感性に、こちらも学びの多い時間となった!

所見・メモ

・杉葉の炭化は難しいが、成功した一部の炭は質が良い。

・チャコールペンシルは若い世代の反応が良く、商品化を考える上で大きなヒントに。

・今後、ねのfarmでの小規模炭化と教育プログラムの連携をさらに深めたい。

作業日誌(ねのfarm・窯出し作業)

2025年11月1日 晴れ 13.9℃

園地:ねのfarm

作業内容

本日は窯出し作業を実施。

前回(10/29)に製炭した炭を取り出し、品質と形状を確認した。

全体的に炭化状態は良好で、焼きムラの少ない仕上がりとなった。

バイオ炭については、粒の大きさによって用途が異なるため、選別作業(ふるい分け)を行うことが今後の重要な工程となる。

細粒は畑の土壌改良用、粗粒は貯水・消臭・調湿などの生活利用へと使い分ける予定。

また、花炭(はなすみ)も非常に良い状態で焼き上がり、繊細な造形と炭特有の光沢が確認できた。

この製炭方法を基盤として、今後は生産量を増やし、バイオ炭にアート的価値を付加した商品化を目指していく。

さらに、無煙炭火器で製造した炭も十分に乾燥が進んできた。

園地投入(地表・スポット法)に向けて準備を整えている。

所見・メモ

今回の窯出しでは、花炭の造形の再現性 、木質炭の炭化度(温度600℃前後) 煙突温度と燃焼時間のバランス などを記録。 今後は、製炭炉・無煙炭火器・ドラム缶式釜の比較データを取りながら、 それぞれの特徴を分析していく予定。

特に、花炭とバイオ炭の“二重構造”による地域循環モデルを形にすることで、「見て楽しむ炭」から「活かす炭」への展開を図っていく。

作業日誌(無煙炭火器によるバイオ炭づくり)

2025年10月25日

曇り時々雨 気温:15.4℃

バイオ炭生産量:7kg

園地:ねのfarm

作業内容

今日は無煙炭火器を使ったバイオ炭づくりを実施。

原料はサンフルーツの剪定枝を中心に使用した。

これまで自然と向き合う形で、どうすれば地域資源を活かしながら未来につなげられるかを考えてきた。

その中で「炭化器の特徴を見極めること」も大切なテーマとなっている。

今回は3種類の炭化器を使用したことを仮定し、それらを実際に使用した時のことをイメージし、比較しながら作業をした。

製炭炉:丸太などを高品質なバイオ炭に仕上げられる。

ドラム缶式炭焼釜:森の中など狭いスペースでの製炭に向く。

無煙炭火器:真上に障害物がなく、風のない小雨の日に最も安定して稼働。

天候や設置条件によって仕上がりに差が出ることもあり、今回は無煙炭火器の特性を改めて確認する良い機会となった。

所見・メモ

小枝中心の原料だったこともあり今回は無煙炭火器で行なった。

燃焼も安定し、灰化を抑えながら理想的な黒色の炭に仕上がった。

ただし、森の中での作業にはこの無煙炭火器は向いていない。炎がもろに外部に出るのは望ましくないからである。

その点、ドラム缶式炭焼釜はそのリスクは少なからず回避できる。

炭づくりは天候と地形、風の流れなど自然との対話そのもの。

効率よりも「その時々の環境に合わせる柔軟さ」が求められる。

今後もそれぞれの炭化器の特徴を活かしながら、

最適な使い分けを模索していきたい。

 作業日誌(無煙炭火器によるバイオ炭作りと畑整備)

2025年10月20日 曇り 18.8℃

園地:ねのfarm

炭作り:資材(サンフルーツ・杉の小枝)約250kg投入

   炭化重量約16kg

作業内容

今日は無煙炭火器を使ったバイオ炭づくりと、教育用の畑の整備作業を実施。

まず、無煙炭火器ではサンフルーツの枝と杉の枝を炭化。

前回の反省を活かし、杉の葉は使用せず枝のみを投入したところ、炎の上がりも安定し、炭化具合も非常に良好だった。

また細かい枝や葉等は土壌再生のためバイオ炭と一緒に混ぜて使うことにする。

午後は、地元高校生との教育プログラムに向けて、

実際に土の再生を学ぶための畑を整備。

石垣で囲い、これから炭と有機物を混ぜ込む実験区として活用していく予定。

所見・メモ

今回のねのfarmでの活動は、単なる炭づくりではなく、

「学びの場づくり」としての意味合いが大きい。

高校生たちが炭の性質を理解し、それをどのように土壌の再生や生態系の循環に活かせるのかを体験的に学ぶ。

この畑がそのきっかけになればと思う。

今後は、バイオ炭投入後の土壌変化の観察や微生物の動きの調査も視野に入れて進めていく予定。

作業日誌(炭出しと無煙炭火器での炭化)

2025年10月18日 晴れ 30.5℃

園地:ねのfarm(午後作業)

作業内容

午後からはねのfarmにて、製炭作業を実施。

まずは、これまで稼働させていた製炭炉からの炭出しを行い、次回製炭に向けた資材(剪定枝など)の投入も合わせて実施。

その後、無煙炭火器を使って、剪定枝や杉の小枝を炭化。

杉は葉付きのままだったため、炎の勢いが強く上がり、炭化時の注意点を再確認することとなった。

今後は葉を落としてから炭化を行うよう改善していく。

所見・メモ

製炭炉によるバイオ炭づくりと並行して、無煙炭火器による小規模・即時型の炭化にも取り組み始めた。

これにより、枝葉などの細かい資材を現場で処理することもできるし、狭い園地でも作業することが出来る。

無駄なく循環させる体制が少しずつ整ってきた。

リジェネラティブな農業の実践において、炭づくりそのものが「資源をつなぐプロセス」となりつつある。

次回は炭の含水率と粒径の確認も予定。