農作業

未来へつなぐ柑橘栽培!2050年に向けた持続可能な農業とは!?

自然農の柑橘

先頃、農林水産省は、「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」なるものを策定しました。これに関して色々と思うことはありますが今回は触れずにおきます…。
この政策が示されるはるか前、あの「奇跡のりんご」の木村秋則さんのことを知ってから現代の農業の在り方について考えています。
当然ですが柑橘農家なので柑橘の栽培を通してですが…。
慣行栽培では農薬や肥料、除草剤等を使い効率よく大量の食物を育てることが良しとされています。それが食料の安定確保に繋がり、農業経営を続ける上でも大切だからだと考えているからだろうと思います。
しかし、そのような栽培方法が人体に及ぼす影響や自然環境に負荷をかけることにより起こってくる様々な弊害があることも指摘されています。
今一度、持続可能な農業とはどういうことなのかを考え行動することが大切だと思います。

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堆肥化に5・6年かかる杉葉の利用価値は雑草対策と土壌乾燥防止!

大量の杉葉

防風垣の手入れをしていると毎年同じようなことを考えるんです…。
それは、処理した杉葉の利用価値です。
ここ数年、出来るだけ細かく切るようにし、それを園地に敷き詰めるようなイメージにしています。
以前は堆肥に出来ないかと色々と調べてもみたんですが、杉の葉にはリグニンという成分が多く含まれていることと、C/N比が大きいことが問題になっています。

このリグニンとい成分が微生物による分解を難しくさせているといわれています。また、C/N比は炭素含有量を窒素含有量で割った値で表されていて炭素率ともいわれています。これは有機物分解の指標として使われていて、この数値が大きいほど分解速度が遅いということになります。
つまり、これら2つの要因で杉葉は分解されにくく堆肥化には向かないといわれています。

では、毎年手入れした杉葉を園地に敷き詰めるようにしておくことは全く意味のないことかというとそうではなく、雑草の生えてくるのを抑える効果や園地の乾燥抑制に効果はあると思ています。
また、毎年手入れする際に細かくすることが出来れば多少なりとも分解される時間も短くなるように思うので、このまま続けていくことが大切だと感じています!

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夏の雑草のハタカリに大苦戦!

夏の雑草のハタカリ

今の時期、雑草の勢いは増す一方です。
特にイネ科の雑草は根が張り硬くなるので除草作業も簡単ではありません。
当園ではハタカリと呼ばれているイネ科のヒメシバが猛威を振るっています!

このハタカリ、背丈の短いうちは刈りにくいものの何とか草刈り機でも対応できますが伸びてくると作業がしにくく、とても効率が悪くなります。
前回刈り取ってから約2週間ですが、すでに6・70㎝にまで成長しています。
ますます茎が太くなると固くなり草刈り機のリードでは刈り取ることが出来なくなるほどに…。

このような状況の時は無理して根元から刈り取ろうとせず、刈れる範囲で作業を進めるようにしています。
何分、今の時期の作業は摘果がメインです。
それを中心に作業を進めているので除草作業に時間をかけることは難しいので、全体の流れの中で作業プランを組み立てています。

このハタカリ対策として、早朝の刈り取り作業を行うようにしています。
早朝だと比較的茎が柔らかいので作業しやすくなることもあり、機械への負担も少なくなることから昨シーズンから実施しています!

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不知火の摘果対象は奇形・穴あき・小玉を中心に!

不知火奇形果

今シーズンの不知火の着果状況は園地による差はあるものの多めのようです。
特に樹齢が高くなっている園地はその傾向が強く、反対に若い木が多い園地は若干ですが少なめとなっています。

不知火の摘果は一発摘果といって、最初の摘果作業において仕上げに近いくらいの量まで落としていくことが望ましいといわれています。
それは果実の肥大化を促進させることが目的で、不知火は大きいほど価値が高いといわれているのが要因だと思います。

しかし、当園でこのような一発摘果は行いません。
それにはそれなりの理由があるのですが、一番の理由はこれから秋口にかけての台風の影響を考慮しているということです。
それは風による擦り傷による被害があった場合、精品率が落ちてしまうことへの対応なのですが、これには各農家さん、様々な考え方を持っておられると思います。剪定作業をしっかり行っていれば風が吹いても果実に影響は出ないという考え方もあります。
そのようなことでここではどの方法が良いのかについては触れないでおきます。

当園での最初の摘果は奇形果や尻に穴の開いた実、そして、明らかに小さい小玉を中心に摘果して、残しておく実は結果枝になっているものを残しておくようにしています。

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不知火は一発摘果が基本だといわれてますが…。

穴あり果

今の時期、柑橘農家は摘果作業の真っ最中だと思います…。
当園でも天草の初期摘果が終わり不知火(デコポン)へとシフトしてきました。
この不知火の摘果は一度に仕上げてしまう一発摘果が基本だといわれているのですが、当園では一発摘果は実施していません。
たしかに不知火に関しては大玉の価値が高いので、大きくした方が良いからだろうと思います。

ですが、食味はどうなんでしょうか!?
たしかに3Lサイズくらいの不知火でも美味しくいただけますが、大きければ大きいほど食味に優れているとは思えません。
そのような理由で当園では初期摘果の割合を多くして、2回目、3回目と進むにつれて仕上げていくようにしています。
ただし、仕上げ摘果の時期が遅くなると玉太りが悪くなるので、各園地の状況をみながら作業を進めています。

当園での摘果の時期を決めるポイントは、どれくらいの着果量になっているのか、また、園地の平均気温は高いのか低いのか…。
ようするに、いつくらいまで成長を続けてくれるのかということを考えて作業しています。

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