作業日記

作業日誌(はるみ乾燥工程の確認・防風垣手入れ)

2025年10月28日 晴れ 19.0℃

園地:はるみ乾燥打合せ

   午後→ ウマキ(清見タンゴール)

作業内容

午前中は乾燥工程に入っているはるみの様子を確認。

まだ果汁が完全に抜けきっておらず、除湿を続けながらじっくり様子をみることになった。

乾燥工程では、果実内部の水分移動を穏やかに進めることが品質保持の鍵となるため、焦らず段階的に仕上げていく予定。

午後からはウマキ園地で防風垣の手入れを実施。

今年は台風の影響が少なかったとはいえ、防風垣の健全性を保つことは、今後の果実品質に直結する重要な作業。

剪定や枯枝の整理を行い、風通しを確保した。

所見・メモ

はるみの乾燥では「香りの残り方」と「色の保持」がポイント。

乾燥が進みすぎると香気成分が飛ぶため、自然乾燥+除湿制御でゆるやかに進める方針とした。

また、防風垣は“ただの風よけ”ではなく、微気象を整える生きた壁でもある。

湿度、風速、光量のバランスを整え、園地全体の環境を守る役割を果たしている。

作業日誌(ポンカン摘果玉の収穫)

2025年10月27日 晴れ 18.4℃

園地:ウマキ(太田ポンカン)

   トミノカ(はるみ)

作業内容

今日は太田ポンカンとはるみの摘果玉の収穫を実施。

道の駅で販売していた太田ポンカンの摘果玉が好評で、在庫がなくなったため、追加分を収穫することにした。

これまでポンカンの摘果玉を何かに利用することはほとんどなかったが、当園の栽培方法を伝えるための“生きた教材”としての価値を改めて感じている。

所見・メモ

摘果玉は、一般的には出荷対象外として廃棄されがちな果実だが、当園では農薬を使っていないからこそ、香り・味わいともに自然そのものの素材として利用できる。

この「摘果玉を活かす」という取り組みは、単に廃棄を減らすためではなく、リジェネラティブ農業の思想そのものでもある。

木の成長を整える摘果の工程を、そのまま“命を循環させる行為”として捉える。

その考え方が、消費者にも少しずつ届いていることが嬉しい。

作業日誌(オゴロのサンフルーツ園地整備)

2025年10月26日

曇りのち晴れ 14.1℃

園地:オゴロ(サンフルーツ)

作業内容

今日は雨上がりの早朝から下草の処理を実施。

水分をしっかり含んだ草は刈りやすいため、

あえてこのタイミングで作業を行うようにしている。

この園地のサンフルーツの木はやや大きめで、

根の保護と地温の安定を図るために、

草丈はあえて少し長めに保つように管理している。

また、当園のすぐ隣にある耕作放棄地の手入れも実施。

園地の環境だけでなく、周囲の生態系の維持も

柑橘の健全な生育に深く関わってくると考えている。

所見・メモ

草の管理は単なる“除草”ではなく、

土壌の呼吸や水分バランスを整えるための重要な工程。

風通しや日当たりを考えながら、

樹勢や果実の状態に合わせて調整を続けていく必要がある。

耕作放棄地を放置すれば、病害虫や雑草種の拡散源にもなりうる。

だからこそ「自園地+周囲の環境」を一体として考え、

地域全体の再生を意識した管理を心がけている。

作業日誌(無煙炭火器によるバイオ炭づくり)

2025年10月25日

曇り時々雨 気温:15.4℃

バイオ炭生産量:7kg

園地:ねのfarm

作業内容

今日は無煙炭火器を使ったバイオ炭づくりを実施。

原料はサンフルーツの剪定枝を中心に使用した。

これまで自然と向き合う形で、どうすれば地域資源を活かしながら未来につなげられるかを考えてきた。

その中で「炭化器の特徴を見極めること」も大切なテーマとなっている。

今回は3種類の炭化器を使用したことを仮定し、それらを実際に使用した時のことをイメージし、比較しながら作業をした。

製炭炉:丸太などを高品質なバイオ炭に仕上げられる。

ドラム缶式炭焼釜:森の中など狭いスペースでの製炭に向く。

無煙炭火器:真上に障害物がなく、風のない小雨の日に最も安定して稼働。

天候や設置条件によって仕上がりに差が出ることもあり、今回は無煙炭火器の特性を改めて確認する良い機会となった。

所見・メモ

小枝中心の原料だったこともあり今回は無煙炭火器で行なった。

燃焼も安定し、灰化を抑えながら理想的な黒色の炭に仕上がった。

ただし、森の中での作業にはこの無煙炭火器は向いていない。炎がもろに外部に出るのは望ましくないからである。

その点、ドラム缶式炭焼釜はそのリスクは少なからず回避できる。

炭づくりは天候と地形、風の流れなど自然との対話そのもの。

効率よりも「その時々の環境に合わせる柔軟さ」が求められる。

今後もそれぞれの炭化器の特徴を活かしながら、

最適な使い分けを模索していきたい。

作業日誌(高校生によるバイオ炭を使った土壌再生)

2025年10月23日 曇り時々晴れ 18.9℃

園地:ねのfarm

作業内容

今日は地元高校生たちが参加し、耕作放棄地を使った土壌再生の実践授業を実施。

今回のテーマは「バイオ炭を使った土壌改良」。

彼女たちはこれまで授業の中でバイオ炭について学び、その効果や活用方法に強い関心を持っていた。

ただ、製炭の工程は時間の都合上できなかったため、今回は実際に出来上がったバイオ炭を手に取りながら学び、それを初めて畑に投入することになった。

実験は2パターンで実施:

① 万遍なく地表に撒き、土を被せる方法

② スポット的に穴を掘り、短期間で効果を求める方法

それぞれの違いが土や植物にどんな変化をもたらすのか…。

今後の観察が楽しみだ。

所見・メモ

生徒たちは炭の質感を確かめながら、「これがどう土に効くんだろう?」と興味深そうに話していた。

理論で学んだことを実際に手で触れ、体験を通じて理解する姿勢が印象的だった。

限られた時間の中でも、一人ひとりが自然や土の再生に向き合うきっかけを掴んだように思う。

これからの変化を共に観察し、学びを深めていきたい。