作業日記

作業日誌(2025年10月1日)

晴れ 25.7℃

園地:オチミズ(デコポン)

デコポンの仕上げ摘果作業

昨日に続き、デコポン園での仕上げ摘果を行った。

今日の場所は着果量の多い木が目立ち、摘果の量も多くなった。

これらの摘果果実は、もし農薬を使っていなければ有効利用できる可能性が高い。

しかし現状では、最低限度とはいえ散布を行っているため、食品としては活用できず園地で廃棄せざるを得ない状況だ。

製炭技術がさらに進めば、これらを炭化資源として循環利用できる道も開けるはずだと感じている。

カイガラムシの発生

作業の途中でカイガラムシの発生も確認した。

最低限度ではあるが農薬散布を行っているにもかかわらず防ぎ切れない現実に直面し、改めて「農薬のあり方」について考えさせられる一日となった。

生態系や樹勢バランス、また園地環境そのものの改善を通じて、防除に依存しない栽培を目指していきたい。

所見

摘果量が多い園は、果実を選び残す基準をより厳しくする必要がある。

摘果果実の有効利用は今後の大きな課題。炭化や加工への応用を模索したい。

カイガラムシの発生を踏まえ、農薬に頼らず抑制できる環境づくりを進める必要がある。

本日の作業を通して、「利用できない摘果果実」と「農薬散布の限界」という二つのテーマが浮き彫りになった。

どちらも今後の園地経営に大きく関わる課題として、継続的に考えていく必要がある。

作業日誌(2025年9月30日)

晴れ 28℃

園地:午前 → トミノカ(はるみ)/ 午後 → オチミズ(デコポン)

午前:トミノカ(はるみ)

仕上げ摘果を実施。

果実の大きさを揃え、着果量を調整することで、残した果実の品質を高める作業を行った。

摘果玉の販売も始まっており、バランスを見ながら丁寧に進めている。

午後:オチミズ(デコポン)

クーラー設備のある園地で仕上げ摘果を行った。

この園は 除草剤と肥料を使わず、農薬も最低限度の散布にとどめている。そのため、共同選果場に出荷できるよう、外観・サイズともに選果基準を満たす果実を意識しながら慎重に摘果を進めた。

作業の中で、カタツムリの食害とみられる果実を確認。

湿気の多い環境が影響していると考えられ、今後は下草管理や通風改善など環境面での対策を強化していく必要がある。

また、園地内には イノシシの侵入痕跡も発見。

根を荒らす恐れがあるため、設置済みの電気柵や鉄筋柵に加え、例年行っているピンクテープを張り巡らせて心理的な警戒効果を加える予定だ。

所見と今後の対応

カタツムリ対策:草刈りや通風確保で湿気を軽減し、発生を抑制。

イノシシ対策:電気柵・鉄筋柵に加え、ピンクテープで警戒心を与える。

選果基準:引き続き外観やサイズを重視し、出荷に耐える果実を目指す。

今回の作業では「病害虫」と「獣害」という二つのリスクが明確になった。

それぞれの環境に合わせた対策を進めることで、持続可能な園地管理と高品質な果実づくりを両立していきたい。

作業日誌|2025/09/29 トミノカ・ウマキ(曇り時々雨 25.6℃)

今日の作業

午前中:トミノカ(はるみ園) 仕上げ摘果を実施。

今シーズンから販売を開始した摘果玉の量とのバランスを見ながらの作業。

午後:ウマキ(清見タンゴール園) 改植予定エリアにて草刈りを実施。

改植は清見タンゴールから香酸柑橘への転換を検討中。品種は今後選定予定。

所見・メモ

はるみの仕上げ摘果では、販売用の摘果玉を確保しながら園地全体の樹勢や果実サイズのバランスを意識。

摘果玉の販売が始まったことで、これまでの「落とすだけ」から「資源として活かす」方向へと作業の意味合いが大きく変化。

ウマキ園では改植を見据えた下準備。気候や市場の動向を踏まえ、香酸柑橘という新しい可能性を模索している。

今後の予定

ウマキでの改植候補品種を検討・試験導入。

摘果玉販売の反応を分析し、次年度以降の販売体制を強化。

はるみ・清見両園地での仕上げ摘果を10月前半にかけて継続。

作業日誌 2025/09/24|清見タンゴール園での病害発生確認

― 発生要因の再確認と今後の対策

日付:2025年9月24日

天候:曇り 26.1℃

園地:ウマキ(清見タンゴール園)

作業内容:病害果実の確認・発生要因の再考

観察内容

清見タンゴールの果実に表皮が粗く、変形した症状が多く確認された。

果皮のざらつきや斑点は今年に入って特に目立つ傾向。

例年よりも発症果の割合が高く、商品価値への影響が懸念される。

発生要因の可能性

1.気象条件

今年は梅雨から夏にかけての湿度が高く、病害の誘発環境になりやすかった。

降雨後の乾きが悪い園地では特に顕著に。

2.樹勢・栄養バランス

裏年で果実数が少なく、その分樹勢が強くなりすぎた木があり、果皮の肥大不良につながった可能性。

カルシウム不足や窒素過多も一因と考えられる。

3.病害虫要因

ダニ類やカイガラムシ類の吸汁跡も疑われる。 黒点病やそうか病との複合症状の可能性もあり、精査が必要。

対策の方向性

園地管理:風通しと日当たりを確保するための剪定と下草管理を徹底。

養分管理:窒素施肥を抑え、カルシウムや微量要素の補給を検討。

病害虫対応:薬剤に頼らない方法で、剪定や粗皮削りを実施し樹体健全化を図る。

データ蓄積:今年の発生量や部位を記録し、来シーズン以降の発生予測に活かす。

所感

清見タンゴールは気候や栄養条件に敏感で、裏年・表年の差が果実の質にも大きく現れる。

病害の原因を単一で捉えるのではなく、気象・樹勢・土壌環境の複合要因として考える必要がある。

今回の観察をもとに、今後の管理方針をさらに精緻化していく。

作業日誌 2025/09/23|清見タンゴール摘果と甘平チェック

― 裏年ならではの薄生りと予約分の確保

日付:2025年9月23日

天候:雨のち曇り 25℃

園地:午後 → ウマキ(清見タンゴール園・甘平園)

作業内容:下草処理、清見タンゴール摘果、甘平の確認

詳細

園地内の下草を整理し、管理作業を実施。

清見タンゴールは今シーズン裏年の影響で全体的に薄生り傾向。

その分、玉太りの果実が多く、摘果玉の量は例年に比べて少なめ。

加工品や注文分をどう確保するかが課題に。

甘平の状況

生育は順調で例年通りの仕上がりを確認。

すでに予約分で完売が見込まれるため、適切な管理と収穫計画が重要

所感

裏年の清見タンゴールは量より質を重視するシーズンとなりそう。

収穫量が限られる中で、注文・加工用の果実確保を早めに動く必要あり。

甘平は引き続き安定した需要が見込めることから、予約販売体制を維持する。