病害虫

レモンのカイヨウ病はミカンハモグリガの食害防止と風対策!

レモン

柑橘栽培において最も注意しておきたい病害のひとつに柑橘カイヨウ病があります。
今シーズンは全体的に黒点病やこのカイヨウ病が多く発生しているようです。
おそらく5月頃の高温と雨が多かったことが要因かもしれません。

柑橘の中でも特にこのカイヨウ病に弱いといわれているのがレモンです。
このレモン、当園での栽培は1本だけで、しかも本格的に栽培する目的ではなく自家消費のため…。
しかも清見園の端っこの方にあります。

このレモン、今シーズンはカイヨウ病の発生が見られます。
それほどひどい状況ではないのですが、部分的に集中して発生しています。
将来的には本格的な栽培も視野に入れているので、なんだか気になるんですよね!

先ずは栽培適地の確保が必須です。
ここ佐田岬半島は風が強いところなので、先ずは風の被害の少ない園地で、防風垣の設置していることが大切です。
そして、温暖であること…。
温暖だということは日当たりが良いといことなので、必然的に風当たりも強くなることが予想されるので、防風垣が必要になるというわけです!

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夏秋梢の処理を疎かにしてはイケないですね…。

夏秋梢

今の時期に目立ってくるのが夏秋梢です。
新しく出た芽が伸び始め、存在感を一気にましてきます!

基本的に夏秋梢は着果量の多い木ではほとんど発生しません。
苗木や幼木の場合は芽だってくることが多いのですが…。

その夏秋梢に悪さをするのがミカンハモグリガです。
葉の内側に入って食害を起こし、新梢の成長を著しく阻害していきます。
また、被害にあってしまった葉は内部に雨水が侵入しやすく柑橘カイヨウ病の発生を助長します。
この被害が広がると果実にも発生していくので要注意です!

このような被害にあった葉は夏場以降に芽だった夏秋梢に多いので、芽を除去することが大切です。
また、温暖な園地では春葉にも発生しやすいので適切な防除を行うようにします。
さらに、柑橘カイヨウ病の発生が危惧される時は、夏秋梢の有無に関わらず薬剤の散布も必要になる場合があります。
とにかく、夏秋梢の芽を適切に処理することでミカンハモグリガの被害はある程度防ぐことが出来るので注意しておきたいですね!

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枯れ枝に感染した黒点病は3年ほど生存し続ける!?

黒点病1

柑橘の病害虫の中でも厄介な黒点病。
果実に発生すると商品価値を落としてしまう困った病害です。
近年消費傾向で多少の見た目の悪さは受け入れてもらえますが、それでも「ワケあり」といったようにB級品の扱いです。

この黒点病は果実や葉、そして枝に黒い点々が出来るもので、密度の低いものは黒い点々がポツポツと出来ます。
しかし、密度の高いものは雨垂の流れた跡に発生し淚斑状になります。
雨量が多く気温の高い状態になると発生しやすく、主に枯れ枝に発生し、その後、枝や葉に、そして着果してくると果実に感染します。

これを防除するために年間定期的に農薬の散布を行っているのが通例ですが、それでもなかなか発生を抑えることが出来ません。
単に定期防除を実施するだけではなく、感染源となる枯れ枝の除去の徹底は大切になってきます。
更には、その枯れ枝を作らないよう、木の内部にまで日差しが届くように剪定し、風通しもよくすることが必要です。

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接木して20年を過ぎた頃から目立ち始めた幹の病気…。

樹脂病

当園で生産量が一番多いのが清見タンゴールです。
甘夏やサンフルーツから改植した園地でも栽培が最も多く、その際、苗木を植え付けたのではなく、接木だったようです。

当時、改植するといえば接木でした。
接木は実を生らすことができるまで苗木に比べて時間がかからないのと、予算的にも比較にならないほど低料金だったようです。
なので、当時から接木を盛んに行っていたようですね。

その接木も年数を重ねるごとに樹勢が落ちてきています。
当園の場合、全てではないのですが、20年を過ぎたあたりから症状が出始めました。
特に症状が重いのは樹脂病を発生してしまい、実を着けることすらままならない状態に…。

このような樹脂病に対しては樹勢を良好にすることが一番の対処方法になるようです。
樹勢をよくするには先ずは根を元気にすること…。
接木の場合、台座の木が古くなると根も弱って来るので、ある程度の年数が経過すると処置できなくなります。
なので、植え替えしか方法はなさそうです。
しかし、苗木の場合は根の状態を良好にすることで回復してくる可能性があるので対策できそうですね!

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約2週間で卵から成虫に成長するミカンハダニの対策!

ミカンハダニの被害

不知火園の摘果作業中、ミカンハダニらしき被害を確認しました。
それまではあまり気にならない程度だったのですが、急激に被害が増えているような気がして…。
確かにアカダニの存在は分かっていたのですが、それもよく確認すれは1・2匹見つけることが出来る程度でした。
もちろん、ミカンハダニらしきものは全く…。

しかし、これらダニ類の成長は驚くべき早さで、約25℃の条件下だと1週間、通常でも2週間もあれば卵から成虫になり、卵を生むそうです。
確かに、そのスピードで増殖すれば気づく前に被害が広がっていても仕方がないかもしれませんね。
全体的に被害が広がってしまった状態で薬剤を散布しても効果は限定的で、しかもダニそのものが抵抗力を持つので同じものは効果がないともいわれています。

そこで大切なのは早期発見し、効果的な薬剤の散布をすること、しかも、繰り返し同じ薬剤を使用しないことがポイントになるようです。
また、土着天敵の活用も忘れてはイケないですね。
柑橘にとって被害の発生が多いミカンハダニやサビダニ等の天敵による駆除方法にも注目していきたいところです!

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