バイオ炭

作業日誌(ねのfarm・窯出し作業)

2025年11月1日 晴れ 13.9℃

園地:ねのfarm

作業内容

本日は窯出し作業を実施。

前回(10/29)に製炭した炭を取り出し、品質と形状を確認した。

全体的に炭化状態は良好で、焼きムラの少ない仕上がりとなった。

バイオ炭については、粒の大きさによって用途が異なるため、選別作業(ふるい分け)を行うことが今後の重要な工程となる。

細粒は畑の土壌改良用、粗粒は貯水・消臭・調湿などの生活利用へと使い分ける予定。

また、花炭(はなすみ)も非常に良い状態で焼き上がり、繊細な造形と炭特有の光沢が確認できた。

この製炭方法を基盤として、今後は生産量を増やし、バイオ炭にアート的価値を付加した商品化を目指していく。

さらに、無煙炭火器で製造した炭も十分に乾燥が進んできた。

園地投入(地表・スポット法)に向けて準備を整えている。

所見・メモ

今回の窯出しでは、花炭の造形の再現性 、木質炭の炭化度(温度600℃前後) 煙突温度と燃焼時間のバランス などを記録。 今後は、製炭炉・無煙炭火器・ドラム缶式釜の比較データを取りながら、 それぞれの特徴を分析していく予定。

特に、花炭とバイオ炭の“二重構造”による地域循環モデルを形にすることで、「見て楽しむ炭」から「活かす炭」への展開を図っていく。

作業日誌(はるみ摘果玉の収穫と下草の管理)

2025年10月30日 晴れ 14.5℃

園地:トミノカ(はるみ)

作業内容

本日ははるみの摘果玉の収穫を実施。

目的は、

① 道の駅販売用

② バイオ炭加工用

道の駅では観光客向けのお土産よりも、地元の方々のリピート購入が増えているのが印象的。

酸味はまだ残るが、果肉の色づきが進んできており、「自然の味がして美味しい」との声も聞かれる。

の二つ。

また、摘果玉を半分にカットして炭化する実験も継続中。

結果はまだ出ていないが、形状と質感が美しい花炭になる感触があり、今後は生産量を少しずつ増やしていく予定。

園地の様子

現在のトミノカ園では、草丈が程よく伸びており、保水力と通気性のバランスが良好。

これから収穫を迎えるにあたり、水分ストレスを適度にかけることが甘みの乗りにつながるが、過度な乾燥は避けたい。

この自然草生状態が「微気象の調整層」としてうまく機能しているように感じる。

作業日誌(ねのfarm 製炭作業)

2025年10月29日 晴れ 14.4℃

園地:ねのfarm

作業内容

本日は製炭作業を開始!

今回の原料はサンフルーツの木。

さらに、花炭づくりのために乾燥させたはるみの果実・イガ付きの栗・チャコールペンシル用の小枝も一緒に投入した。

作業開始は午前8時30分。

時折風が強く吹く中、メンバーと協力しながら慎重に進めた。

着火後は次回に向けた製炭準備も並行して行い、製炭炉の計器を随時チェックしながら工程を管理。

夕方16時15分、全工程を無事に完了した。

所見・メモ

今回の製炭では、「果実と木の融合による花炭づくり」を試みた点が大きな特徴。

はるみの断面が持つ繊細な構造と、炭化による独特の色味の変化がどのように仕上がるか楽しみだ。

また、チャコールペンシル用の素材として枝を同時に炭化することで、“書く”と“飾る”を結ぶ炭の循環デザインを実践できた。

今後は炭の品質(硬度・導電性・色)を確認し、展示・商品化に向けた検討を進める予定。

作業日誌(無煙炭火器によるバイオ炭づくり)

2025年10月25日

曇り時々雨 気温:15.4℃

バイオ炭生産量:7kg

園地:ねのfarm

作業内容

今日は無煙炭火器を使ったバイオ炭づくりを実施。

原料はサンフルーツの剪定枝を中心に使用した。

これまで自然と向き合う形で、どうすれば地域資源を活かしながら未来につなげられるかを考えてきた。

その中で「炭化器の特徴を見極めること」も大切なテーマとなっている。

今回は3種類の炭化器を使用したことを仮定し、それらを実際に使用した時のことをイメージし、比較しながら作業をした。

製炭炉:丸太などを高品質なバイオ炭に仕上げられる。

ドラム缶式炭焼釜:森の中など狭いスペースでの製炭に向く。

無煙炭火器:真上に障害物がなく、風のない小雨の日に最も安定して稼働。

天候や設置条件によって仕上がりに差が出ることもあり、今回は無煙炭火器の特性を改めて確認する良い機会となった。

所見・メモ

小枝中心の原料だったこともあり今回は無煙炭火器で行なった。

燃焼も安定し、灰化を抑えながら理想的な黒色の炭に仕上がった。

ただし、森の中での作業にはこの無煙炭火器は向いていない。炎がもろに外部に出るのは望ましくないからである。

その点、ドラム缶式炭焼釜はそのリスクは少なからず回避できる。

炭づくりは天候と地形、風の流れなど自然との対話そのもの。

効率よりも「その時々の環境に合わせる柔軟さ」が求められる。

今後もそれぞれの炭化器の特徴を活かしながら、

最適な使い分けを模索していきたい。

作業日誌(高校生によるバイオ炭を使った土壌再生)

2025年10月23日 曇り時々晴れ 18.9℃

園地:ねのfarm

作業内容

今日は地元高校生たちが参加し、耕作放棄地を使った土壌再生の実践授業を実施。

今回のテーマは「バイオ炭を使った土壌改良」。

彼女たちはこれまで授業の中でバイオ炭について学び、その効果や活用方法に強い関心を持っていた。

ただ、製炭の工程は時間の都合上できなかったため、今回は実際に出来上がったバイオ炭を手に取りながら学び、それを初めて畑に投入することになった。

実験は2パターンで実施:

① 万遍なく地表に撒き、土を被せる方法

② スポット的に穴を掘り、短期間で効果を求める方法

それぞれの違いが土や植物にどんな変化をもたらすのか…。

今後の観察が楽しみだ。

所見・メモ

生徒たちは炭の質感を確かめながら、「これがどう土に効くんだろう?」と興味深そうに話していた。

理論で学んだことを実際に手で触れ、体験を通じて理解する姿勢が印象的だった。

限られた時間の中でも、一人ひとりが自然や土の再生に向き合うきっかけを掴んだように思う。

これからの変化を共に観察し、学びを深めていきたい。